「彼が、記念日を覚えていてくれない……」
多くの女性が、恋人に対して持つ不満の一つに、覚えていてくれない、言ったことをすぐに忘れる、ということがあります。
先日も、友人からこんな話を聞きました。
「つき合って一年記念の日に、食事に行ったの。私、もしかしたらプロポーズされるかも! なんて思って、ちょっといいお店に行けるような服装で行ったら、連れて行かれたのは普通の居酒屋……。じゃあ帰り際に言ってくれるのかな、もしかしてお泊まりかな、なんてポジティブに考えて待ってたのに、結局なにもなくて。悔しくて別れ際に『今日、なんの日か知ってる?』って聞いたら、まったく覚えてなかったの……」
そう、残念ながら、男性は、とにかく覚えていられない生き物なのです。
こんなとき、女性は悲しさや寂しさ、悔しさから男性を責めてしまいがちですが、男性にしてみたら、「苦手なものは、苦手なんだよ……」としか言いようがないわけです。
これは、走るのが遅い人に、「どうして、速く走れないの?」と聞くのと同じくらい、意味のない質問だと言えます。
しかし、不満を持っているのは、なにも女性だけではありません。女性が男性に、「どうして覚えていてくれないの?」と不満に思う一方で、男性は女性に対して、「どうして過去の失敗やケンカをいつまでも忘れてくれないんだ」という不満を持っているのです。
女性は、男性と違ってものごとを覚えておくのが得意ですが、いいことだけではなく、イヤなことも詳細に記憶してしまっています。
一度は許したことや忘れようとしたことでも、同じことがくり返されそうになったときには、思わず「前にも同じことしたよね? 本当に、あなたっていつも……」と言ってしまいがち。
すると、「前は前でしっかり謝ったし、そっちだって許してくれたのに、どうしてあとになって、また過去の話を持ちだしてくるんだ!」と男性は女性にイライラしてしまいます。女性だって、過去のことを何度もむし返されたらムッとしますよね。
このように、「得意・苦手」なことが原因のケンカは、お互いさまなことなので、「そういう人なんだ」と割り切ってしまうことが必要です。
男性は、忘れようと思って大事なことを忘れてしまっているわけではありません。
一度にたくさんの出来事やものごとを記憶するのが苦手なので、頭から抜け落ちてしまうだけなのです。そこをきちんと理解してあげてください。
一方、その「覚えていられない」性質のおかげで、女性が助かることだってあります。
それは、「忘れてほしいこと」も忘れてくれることです。あなたがしてしまった失敗や、ケンカで思わず言ってしまったひどいことも、翌日には「そもそも、なんでケンカになったんだっけ……?」と、すっかり忘れてくれています。
ですから、「覚えていてほしい」ことを忘れてしまったときも、「覚えておくのが苦手だもんね」と広い心で受け止め、もう一度説明したり、「明日は記念日だから、一緒にすごす時問をつくってね」とやさしく言ってあげましょう。
男性の「覚えていられない」「すぐに忘れる」性質は、女性にとって困ることもありますが、感謝すべき場合だってあります。困る部分だけフォーカスして怒るのではなく、人には得意・不得意なことがあるのだと寛大になって、やさしく接することです。